発達障害と二次障害
発達障害の人が適切な治療やサポートを受けない状態が続くと、新たな障害や精神疾患を併発することがあります。これを「二次障害」と呼びます。
うつ状態
発達障害の人はうつ状態(抑うつ状態)になりやすい傾向があります。ADHDやASDの人は、就労に合わせて過剰適応の状態になってしまう場合があります。疲労やストレスをうまくコントロールできずに蓄積させ続けると、うつ状態に陥ってしまいます。
うつ状態のサイン
- 活動意欲の低下
- 睡眠障害
- 食欲低下
- 自己否定(消えてしまいたいという気持ち)
- 無関心・無趣味になる
- 抑うつ気分(憂うつで気分が晴れない)
薬物療法
うつ状態の治療には、三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などを処方して治療を行います。治療を行う上で以下の点はきちんと守り、医師の指示によく従いましょう。
原則 | 行動 |
---|---|
自覚する | うつ状態から回復するには治療が必要です。必要以上に自分を追い込まず、自分がうつ状態であることを自覚しましょう。 |
休養をとる | できるだけ早く休養生活に入りましょう。 |
焦らない | 治療には時間がかかります。最低でも3ヶ月以上はかかります。焦らずに治療しましょう。 |
服薬を勝手にやめない | 医師の処方通りに薬の服用は継続しましょう。 |
自サツを考えない | 絶対に自サツをしてはいけません。 |
治療は一進一退 | うつ状態は経過が良好なときとそうでないときを行きつ戻りつ回復していきます。 |
決断をしない | 思考力や判断力が大幅に低下しているため、大きな決断は避けましょう。 |
強迫症
強迫症とは、不安感からの強迫観念から、「戸締まりを必要以上に何度も確認する」など強迫行為を繰り返す精神疾患です。ASDの人には、もともと同じ行動を何度も反復する「常同性」を持っている方が多くいらっしゃいます。
薬物療法
うつ病の治療薬である「SSRI]などを処方し、まずは不安感を抑えます。不安が薄れ、落ち着いてきたところで、次の「曝露反応妨害法」に移ります。
曝露反応妨害法
「曝露反応妨害法」は「認知行動療法」の一つであり、不安などを感じる状況や体験をあえて繰り返し、不安な状態に慣れることで、徐々に不安を解消させる治療方法です。繰り返す対象となる行動を我慢することで、不安感は軽減され、強迫行為はなくなっていきます。
依存症
発達障害の方は、過去の辛い経験やストレスなどにより、依存症に陥りやすい傾向があります。
依存症 | 対象 |
---|---|
物質依存 | アルコール、ニコチン、シンナーなどの薬物 |
プロセス依存 | 買い物やギャンブル、インターネット、ゲームなど |
関係依存 | 恋愛など |
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