発達障害の国際的な診断基準
発達障害は、うつ病などの精神疾患とは異なり、「障害」と位置づけられています。精神疾患がストレスなどの後天的な要因によって引き起こされるのに対し、発達障害は、脳の発達の偏りからくる先天的なものです。脳機能の発達の偏りは、知能や認知、感情の表し方、運動機能や代謝機能などにさまざまな症状として現れます。症状の特徴により、さまざまな診断名がつけられ、分類されています。
診断基準には、世界保健機関(WHO)の作成した「ICD(国際疾病分類)」の最新版「ICD-10」と、アメリカ精神医学会がまとめたDSMの最新版「DSM-5」の2つが存在します。ここでは、「DSM」について取り上げますが、公的機関の支援を受ける場合には、「ICD-10」に基づいた診断書の提出が必要になります。ですが、日本の医療機関では、両方の診断基準を用いるのが一般的です。
DSM-Ⅳ-TRからDSM-5へ改訂
2013年にDSM-Ⅳ-TR(第4版)からDSM-5(第5版)に改訂されました。
↓改訂
変更点
名称 | 発症年齢の範囲 | 大きく変わった点 |
---|---|---|
DSM-Ⅳ-TR | ASD:3歳以前、ADHD:7歳以前 | ASDの上位にPDD(広汎性発達障害)や下位分類にアスペルガー障害、ADHDにも下位分類があった |
DSM-5 | ASD:12歳未満、ADHD:12歳未満 | 全てADHDとASDに統一、レット障害なども分類から外れる |
タグ:アスペルガー, 学習障害(LD), 広汎性発達障害, 注意欠如・多動性障害(ADHD), 発達障害, 自閉症スペクトラム障害
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