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大人の発達障害の知能検査とは

知能検査とは、知能を測定するための心理検査の一つです。ここでは、大人の発達障害の知能検査で一般的に用いられる「ウェクスラー式成人知能検査(WAIS-Ⅲ)」について取り上げます。「WAIS-Ⅲ」は16歳以上が対象です。

言語性と動作性

言語性検査では、知識や理解などを測定します。

項目 内容
知識 一般知識
類似 抽象思考、論理的範疇思考
算数 注意力、集中力、計算力
単語 言語発達水準、語彙力、長期記憶
理解 状況判断、社会的成熟度
数唱 記名力、注意力、集中力、短期記憶
語音整列 五十音、数字の順序の理解

動作性検査では、絵画完成や記号探しなどの作業能力を測定します。

項目 内容
絵画完成 視覚的細部の感知速度、視覚的長期記憶
符号 注意力、目と手の連動、視覚的短期記憶
積木 空間認知、視覚的抽象処理、問題解決能力
行列推理 論理的推理、問題解決能力
絵画配列 状況判断、論理性、結果予測
記号探し 視覚認知の速度
パズル 視覚分析、統合

これらの検査を通して、言語性IQや動作性IQ,全般的なIQを測定し、個人の特性を把握します。

語彙 説明
言語性IQ 言語を使った思考力
動作性IQ 視覚・空間の情報処理能力

検査結果から特性を知る

発達障害の場合、各項目によって点数の偏りがあるケースが多く、点数の低い項目が多ければ多いほど日常生活上の困難も大きくなる傾向があります。本人が自覚していなかった問題の発見や、実際に直面するトラブルの裏付けにもなります。

知能検査の結果だけで発達障害かどうかの判断ができるわけではありません。しかし、今後の診療方針の手がかりとなります。また、全般的なIQ(知能指数)が一定水準を下回る場合、一般的な就労が非常に困難になります。その場合、「療育手帳」や「精神障害者保健福祉手帳」を取得することにより、障害者年金を申請することも可能です。

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